困ったら帽子でごまかす

めちゃくちゃなコーディネートであったとしても、目線を誘導すれば意外と何とかなるものです。

色もテイストも整っていない着こなしだとしても、キメ感のある黒ハットをかぶればそれなりに見えます。

これは帽子にコーディネートを整える効果があるわけではなく、一番目立つ顔周りに、考え得る最もシックで大人っぽいアイテムを身につけることでそこに視線を集められるからです。

コーディネートが不成立のままなら、いっそ見られないようにすればいいという理屈で、前回の情報量の飽和と似たテクニックになります。

顔と同じく全体の先端は目立つものですから、靴を同じテイストのものでリンクさせると一層効果的でしょう。

よくデニムオンデニムに黒ハットという着こなしが見られますが、これは正確には、

調和が取れているのではなく変な上下の組み合わせに目線がいかないようにしただけ

です。

この理屈を逆用して、暗色の中の明色といったアイポイントを一度外してみることで、本当にその着こなしに調和が取れているのかを確認することができます。

そのアイテムが抜ければ成立しない、違和感を与えてしまうようなコーディネートは、完成度が低いということです。

個人的には黒いつば広ハットで無理やりまとめるような力業は好きではありませんが、視線を考えることは着こなしの精度を高めると思います。