オーバーサイズコートはアウターオンアウターで(サイズミスコートはスーツに使え)
オーバーサイズがトレンドです。
エディスリマンがdiorオム在籍時に広めた、スキニースタイルが長らくメンズのトレンドでしたが、とうとうメンズにもワイドの流れがやってきました。
スキニースタイルは定番化し、黒スキニーに代表される細さを強調するアイテムは、主役ではなくコーディネートの名脇役となりつつあります。
オフショルダーのコートやワイドパンツなどなど、各アパレルが必死になって新規購買を促そうと買い替えの販促活動に励んでいます。
いわゆる従来のB系やスケーターと違うのは、テイストや色味はあくまで緊張感のあるまま、サイズのみが大型化していることです。
たとえばビッグサイズのベージュチェスターコートや、黒いワイドスラックス(アンクル丈)などがトレンドの中心アイテムとなります。
これらのアイテムは、端的に言えば「適正サイズとは異なるものをあえて着用している」ため、意外とラインをきれいに見せることが難しいものです。
解決策としては、まずアイテム選び時点で注意を払う方法があります。
①素材に厚みと重みがあり、体のラインを拾わない落ち感のあるものを選ぶ
②シルクやその代用素材であるリネンなど、ドレープ感(シワ)が様になるものを選ぶ
ただ、予算に限りがあったり、今あるアイテムを流用したかったりと、必ずしもそうはいかない事情もあるでしょう。
そんなときは、やはりあえて着膨れを作り出し、オーバーサイズアウターの中身を詰める、密度を上げていく対応が必要となります。
具体的におすすめな着こなしは、例えばチェスターコートの下にGジャンを挟むアウターオンアウタースタイルです。
もしGジャンがなければ、インナーダウンでも構いませんし、テーラードジャケットでもいいでしょう。
要するに春夏にアウターとして使用したものをそのまま中に着ればいいのです。
ただしこの着こなしをするにあたっては、二つの注意が必要です。
まずは春夏のスタイルにそのままアウターを重ねるだけではレイヤードが行き過ぎる可能性が高いですから、インナーの重ね着を減らすこと。例えばシャツニットジャケットの春夏スタイルにそのままチェスターコートを着るのではなく、シャツニットをタートルネックに変えるなど、アイテム数を減らすことで情報量を上げ過ぎないよう注意を払うこと。
次に、中に着たアウターと外に着たオーバーサイズアウターの丈感に注意すること。今は縦のレイヤードが流行しているのでインナーがアウターより長くとも不自然にはなりませんが、中に着たアウターが、外に着たアウターよりも長い丈である場合は違和感を発生させる可能性が高いです。
アウターオンアウターというと、デニムオンデニムのような奇抜なコーディネートの一種なのではと思われがちですが、実は殆どのメンズが取り入れているスタイルですので苦手意識を持つ必要はありません。
実際にあなたも仕事着でしているはずです、スーツのジャケットの上にコートを羽織る、アウターオンアウタースタイルを。
転じて、もし私服としてどうにも着こなせそうにない場合は、仕事着としてアウターに使うことができないかを試してみるのもオススメです。
軍もののモッズコートなどは殆どがオーバーサイズですが、モッズにまとめて着こなすだけではなく、意外とスーツスタイルにはまるものです。
もちろん逆の理屈で仕事で着ているコート(ジャケットがある分だけ通常より1サイズアップしている=オーバーサイズしているはずです)を今のトレンドであれば流用することも可能です。
この場合の着こなしも簡単で、中身をスーツスタイルからGジャンなどカジュアルアウターに変えればいいだけ。
一度お試しあれ。